温帯スイレン サイアム・パープル2
分類
温帯スイレン
品種名
'Siam Purple2' (サイアム・パープル2)
交配-作出者-年次
Unknown hardy x Unknown tropical (Pairat Songpanich) / 2007
花色-花型
株-花-葉の大きさ 注1
株:やや大型--花:6〜12cm--葉:23cm前後
推奨裁培容器 注2
直径 24cm(8号浅鉢)以上
特徴
「Dreams come true!」 やや陳腐な表現かも知れませんが、スイレンの愛好家の方であればご納得頂けるのではないかと思います。マルリアックが数々の耐寒性品種を作り出して以降、多くの育種家が「青い耐寒性のある品種」の作出を夢見てきましたが、実現は叶わずにいました。原種に青い花を持つ品種がないため、熱帯スイレンとの交配(亜族間交配)が必要ですが、これまでは無理な組み合わせと考えられていました。 交配の詳細は語られていませんが、実現をさせたのはこれまでにも多くの優れた品種をたくさん作出している事でも有名なタイのソンパニッチ氏です。葉縁は鋸歯ではなくスムーズなもので、地下茎は横に伸びます。園芸的には温帯種として扱うことが出来ます。株からも想像が出来るように耐寒性も問題ありません。葉表は他の亜族間交配種(サイアム・ピンク等)とよく似た感じですが、葉裏は濃い青紫色をしており、アントシアニン(色素)をしっかりと持っている事が伺えます。

本種はサイアム・パープル1の兄弟種となり、全体的に大変よく似ています。花色、花型につきましては環境による変化が大変大きいようですが、当園での試験栽培ではサイアム・パープル1より花弁が少なく、色合いは赤みの強いものとなりました。場合によっては赤みがかなり強く出てピンクに近いものとなった事もあります。ただし、花上がりはまずまずで、良好とまでは言えませんがサイアム・パープル1よりもコンスタントに開花します。

(非推奨種の訳) 大変貴重な品種ではありますが・・・耐寒性はあるものの、一冬越すと地下茎の大部分が腐り、先端の成長点部分の僅か数センチが生き残るのみです。(冬季に相当水温を上げれば回避できるかも知れませんが、温帯種の性質から来ていると考えられるため、恐らく水温を上げても休眠するたびに地下茎の大半が腐るのではないかと思います。) また、こうした影響で成長を始めるのは大変遅く、7月に入った頃となります。ただしいったん成長を始めると熱帯種を思わせるスピードで成長し、秋遅くまで咲き続けます。残念ながら非常に扱いにくい品種と言わざるを得ません。

注1:
推奨裁培容器サイズの物を使用して、栽培を行った場合の、おおまかな目安です。他の温帯種との相対的な評価で、熱帯種とは基準が異なります。
注2:
必要最低限の植え込み容器のサイズの目安で、容器が大きいほど株全体も大きく、花もたくさん咲きます。なるべく大きな容器をお使い頂くことをお勧め致します。

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