分類
熱帯スイレン 昼咲き
品種名
Blue Moon (ブルー・ムーン)
交配-作出者-年次
Anne Emet x unknown (Koichi Miyagawa) 2021
花色
青紫色/淡い黄色
株-花-葉の大きさ 注1
株:中型--花:12〜16cm--葉:23cm前後
推奨裁培容器 注2
5号定型鉢
特徴
本種は当園:宮川浩一により作出された新しい品種です。花は青紫色で中心部は淡いイエローとなる大輪種です。花弁が細長く、枚数も多い(ある程度の大きさに育てると30枚以上)スター・リリー(星型咲き)です。 こうしたカラーの元祖はグリーン・スモーク(1965年作出)が知られていますが、当時かなりの驚きをもたらしました。育種家はこぞってグリーン・スモークを片親に使い、似た花色の出現を狙いましたが、その目論見は上手くいかなかったようで同様のカラーを持つ新品種はついぞ現れませんでした。そして時が経ち近年でも品種は多くはありませんが、いくつか似たカラーを持つ品種が現れています。当園所有のものでアーン・エメット、シリラープ、ダオ・ファー、ハンターズ・ムーンなどがあります。ただし、本種のような花型を持つ物はほとんどありませんので、大変面白い品種が誕生したと感じております。

余談:10年近く前に、一時期育種にかなり熱心に取り組んだ事がありました。当時、知り合ったばかりのギャレット・上村氏に(今思えば)かなり不躾な質問までして、様々なアドバイスを頂きました。その後、何度もお会いする機会があり、当園へいらした折にも実際に現場でいろいろとアドバイスを頂きました。しかしながら・・・出来る品種はほとんどが「どこかで見た感じ」の花ばかりで、何かしら特徴のある物は結局出来ずじまい、意気消沈して育種への情熱はほとんどなくなってしまいました。今回もたまたまアーン・エメットに出来た種を何となく育ててみましたところ、非常に良い結果が出ました。種を拾った段階では(前述の通り)「アーン・エメットの種からアーン・エメット(グリーン・スモーク)似のカラーが出るほど世の中簡単じゃないよ。」と自分に言い聞かせておりましたので、予想に反して「簡単に」出てしまい逆に驚いてしまいました。本当に偶発的に誕生した品種であり貴重だなと実感しております。

注1:
推奨裁培容器サイズの物を使用して、栽培を行った場合の、おおまかな目安です。他の熱帯種との相対的な評価で、温帯種とは基準が異なります。

注2:
必要最低限の植え込み容器のサイズの目安で、容器が大きいほど株全体も大きく、花もたくさん咲きます。ただし、熱帯種の場合は、あまり大きな容器をご使用になると大きくなりすぎ、扱いにくくなりますので、推奨裁培容器よりあまり大きな容器はご使用にならない方が良いかと思います。

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