夜咲き熱帯スイレン アンタレス

分類
熱帯スイレン 夜咲き
品種名
Antares (アンタレス)
交配-作出者-年次
'H.C.Haarstick' x 'Emily Grant Hutchings' (Patrick Nutt) 1962
花色
赤色
株-花-葉の大きさ 注1
株:中型(大型に近い)--花:13〜18cm--葉:25cm前後
推奨裁培容器 注2
5号定型鉢
特徴
品種名のアンタレスはさそり座のα星の名前からきており、「火星に対抗する物」という意味で、地球から見ると火星に次いで、この星が二番目に赤く見える事から名付けられたものです。レッドフレアーと並ぶ濃い赤系品種として知られていますが、ダークレッドのレッドフレアーと比べ、色調は明るい赤色です。花はカップ状、もしくはフラットに咲き、花弁がやや多い(30〜36枚)ため、豪華な印象を与えてくれます。葉は緑から薄い茶褐色となり、額も薄い茶色をしているため、ピンク系品種と見間違いかねませんが、開花するとその鮮やかな明るい赤色の花に大変驚かされます。また、花上がりが非常に良いのも特徴の一つで、3号ポットでも次々と花芽を上げてきます。(ただし、すぐに根詰まりしますので、定植は5号以上の鉢をお使い下さい。)

なお夜咲き種共通の栽培のコツとしましては、肥料を昼咲き種より2割程度多めに与えると、非常によく花を咲かせます。また、小さな鉢での開花は技術的に難しいため、必ず5号以上のサイズの鉢をお使いください。 また、葉がスイレン鉢からはみ出すと傷みやすくなり、花芽が上がりにくくなりますので、水鉢もかのうな限り大きな物をお選び下さい。

アンタレス誕生まで:1962年の夏、ペンシルベニア州のロングウッド・ガーデンでは幾つかのプロジェクトが進行していました。その一つは、当時レッドフレアーしか存在しなかった真紅の夜咲き種を作出することでした。このプロジェクトを推進していたのはパトリック・ナットで、交配親に選ばれたのはHCハールスティックとエミリー・グラント・ハッチングス。(レッドフレアーの交配は不明であり、また敢えてレッドフレアーは避けたようです。)この両者が選ばれたのは、いずれも比較的濃いピンク色を持っており、より赤い花の誕生が期待出来たからです。この幾度もの交配から多数の種が収穫され、そしてそれらすべては大切に育成されました。このうち、いくらかの株から期待された濃い赤色の花が咲き、その中でも最も色の濃い株が選別され、ロングウッド・ガーデンで二年ほど展示されました。この間、愛好家達からも高い評価を得て、その後、ミズーリ植物園でも展示されました。この品種は、さそり座のα星より名前を取り、アンタレスと名付けられました。期待通りの濃い赤色品種が誕生し、このプロジェクトは大きな成功を収めたのです。

注1:
推奨裁培容器サイズの物を使用して、栽培を行った場合の、おおまかな目安です。他の熱帯種との相対的な評価で、温帯種とは基準が異なります。

注2:
必要最低限の植え込み容器のサイズの目安で、容器が大きいほど株全体も大きく、花もたくさん咲きます。ただし、熱帯種の場合は、あまり大きな容器をご使用になると大きくなりすぎ、扱いにくくなりますので、推奨裁培容器よりあまり大きな容器はご使用にならない方が良いかと思います。

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