熱帯スイレン パープル・クラウド
分類
熱帯スイレン 昼咲き
品種名
Purple Cloud (パープル・クラウド)/紫雲(しうん)
交配-作出者-年次
Leopardess x unknown (Koichi Miyagawa) 2011
花色
濃青紫色
株-花-葉の大きさ 注1
株:中型--花:12〜16cm--葉:23cm前後
推奨裁培容器 注2
5号定型鉢
特徴
本種は当園園主(2015年より):宮川浩一により作出された新しい品種です。濃青紫色でやや花弁の多い花(ある程度の大きさに育てると30枚以上)を持ちます。また、花弁が多いにもかかわらず、大変整った花形となります。葉は一見すると片親のレパーデス似のものですが、切れ込み部がやや大きく形状はすこし異なっています。繁殖力も強く、比較的よく新しい球根を作ります。写真下(左右)は試験栽培時に10号ポットにて育成した株です。花弁がさらに多くなり、また形状も細くなりますので、同じ品種でもかなり違った印象になります。(写真下左は開花初日。写真下右は開花4日目。) 極めて花上がりが良いため、株がかなり若くても花をつけますので初夏の咲き始めには直径2cm程度の小さな花を咲かせる事もしばしば見受けられます。いくつか小さな花をつけた後。本来のサイズの花が上がってきます。

余談:10年近く前に、一時期育種にかなり熱心に取り組んだ事がありました。当時、知り合ったばかりのギャレット・上村氏に(今思えば)かなり不躾な質問までして、様々なアドバイスを頂きました。その後、何度もお会いする機会があり、当園へいらした折にも実際に現場でいろいろとアドバイスを頂きました。しかしながら・・・出来る品種はほとんどが「どこかで見た感じ」の花ばかりで、何かしら特徴のある物は結局出来ずじまい、意気消沈して育種への情熱はほとんどなくなってしまいました。育種そのものをすっかり忘れていた頃・・・たまたまレパーデスに種子が出来ているのを見かけて、個人的に好きなレパーデスの葉と同じような物が生まれたら良いかなと軽い気持ちで育成し始めたのですが、ほとんど手をかけられずにおり、結局生き残ったのは数株・・・しかし、幸運にもこの株が残ってくれました。対外的には一応、「作出」という事になりますが、このような事情でした。一生懸命にやっていた頃は結果が出ず、拾った種から面白い品種が生まれたというのは皮肉なものだなと実感しています。

注1:
推奨裁培容器サイズの物を使用して、栽培を行った場合の、おおまかな目安です。他の熱帯種との相対的な評価で、温帯種とは基準が異なります。

注2:
必要最低限の植え込み容器のサイズの目安で、容器が大きいほど株全体も大きく、花もたくさん咲きます。ただし、熱帯種の場合は、あまり大きな容器をご使用になると大きくなりすぎ、扱いにくくなりますので、推奨裁培容器よりあまり大きな容器はご使用にならない方が良いかと思います。

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